思い出のフゴッペ

木のある暮らし
 以前、余市町東部の栄町地区(旧フゴッペ村)の
さらに奥の別荘地にある中古物件のリフォームを頼まれました。

 私は子供の頃、余市の登町(村)というところに住んでいて、
親は農家をやっており、小高いところにある果樹園を突き抜けて
奥の森を抜けると、その眼下にフゴッペの村が見えました。
 子供の頃、フゴッペの村は自分の住んでいた村よりも
とても栄えているように映っていて、親にも話したことを
覚えています。
しかし、今行ってみるとフゴッペの村はとても小さな村のように
感じました。

 フゴッペ村の奥には10軒以上の別荘が廃屋と化していて、
人の気配が全くありませんでした。
建物の裏側は木がうっそうと繁り屋根に木がかぶさっているような状態でした。
人がいなくなると樹木は人の想像を超え、どんどんと大きく
なっていくようです。
「木が人を癒す」とは言っても、木を野放しにしている状態では
癒されないのではと思います。夜の森は妖怪が出てきそうな
想像力をかきたてます。

 豊かな自然の環境も人の手が加わらないと恐怖さえ覚えるほどで
す。里山というものは人が手を加え、バランスのとれた状態に
なることで絵となり、癒されるのでしょう。
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